建設プロセスの情報と3次元CADの機能を統合した、「IFC」は国際規格であるため、常に海外の各支部と連携をとりながら開発を進めていく必要があります。また、日本独自で開発した規格が、国際的な承認を得て国際規格として位置づけられることもあります。IAI日本技術統合委員長の太田孝和氏に、国際規格としてのIFC開発の実際や、今後の課題についてお聞きします。
―――海外の組織とはどれくらいの頻度で会議を行っているのですか。
太田 技術的なことを議論する「ITM」という会議が年に4回、国際的な運営会議である「IC」という会議が年に2回あり、それぞれ専任の人が出席しています。
―――IAI日本では、構造分科会が規格作りを行っている鉄筋コンクリート用のIFCや、土木分科会が今年、取り組もうとしているシールドトンネル用のIFCなど、建設分野において“日本発の国際規格づくり”を実践していますが。
太田 IAI日本としては、建築だけでなく、土木も含んだIFCの開発を行いたいと思っていますので、去年は世界標準として提案されている橋梁用のIFCブリッジのレビュー役を買って出ましたし、今年はシールドトンネル用のIFCを開発するなど、土木分野にも力を入れたいと思います。
土木分科会のリーダーである矢吹信喜先生も、世界初となるシールドトンネルのIFC規格の開発を目指しているようで、先日の理事会で「やっていいですか」と聞かれました。
すると、理事会のメンバーも「いいですよ」ということになって、今年は日本発で世界初のシールドトンネルのIFC規格が開発されることになります。
―――日本発の国際規格を発信していく上での課題はなんでしょうか。
太田 そうですね。次世代の人を育てることでしょうか。IFCのモデル化の仕組みだけでなく、ソフトウエアの知識も必要です。さらに国際規格として作っていくには、ISOなどの国際標準についての知識や人脈も重要です。
IAI日本で、長く活動していると、自分の知識がどんどん膨らんでいき、初めて参加した人との差が大きくなりすぎてしまいますから。
IFCがものを言うのは、3次元CADが建設業界に普及するこれからですので、新しい人にもどんどん参加してもらいたい。そんな意欲のある人をどんどん育てて、日本発の国際規格作りを後押ししていきたいです。
―――どうもありがとうございました。
(イエイリ建設ITラボ 第4回掲載)