建設プロセスの情報と3次元CADを統合する「IFC」とは
【第3回】建築、設備、土木を総合的にカバーするIFCにしたい

建設プロセスの情報と3次元CADの機能を統合した「IFC」は、既に標準的な建築物を表現できるレベルにまで達しています。一方、設備や土木の分野は、どれくらいまで開発が進んでいるのでしょう か。IAI日本で技術統合委員長を務める太田孝和氏に、今後、IFCはどのような方向で開発が進むのかについてお聞きします。

―――IFCは、シンガポール政府の建築確認申請用図面を3次元CADで電子納品するときに使われるなど、建築物のモデルを表現できるだけのレベルまで、開発が進んでいるようですが、設備分野についてはどうでしょうか。

太田 設備関係については、空調設備用のIFC開発が進んでいます。例えばダクトや吹き出し口、ファンなど。材質も定義できるようになっています。

ただ、設計で使う仕様は、各国の事情でまちまちなので、日本の仕様は財団法人建設業振興基金の設計製造情報化評議会(C-CADEC)が策定した「BE-Bridge」という設備業界用の共通ファイル規格に変換できるように作ってあります。

―――土木分野はどうですか。

太田 土木については、世界的にはフランスのIAIが開発した橋梁用の「IFCブリッジ」という規格が既にできており、鋼橋やコンクリート橋、プレストレスト・コンクリート橋(PC橋)などを表現できるようになっています。

ただ、ドイツのIAIが担当している道路用のIFCについては、現在中断しています。道路の下にある地盤や地質という複雑なものをモデル化する必要があるため、なかなか手つかずの状態になっています。

―――IAI日本の土木分科会では、どのような活動を行っているのですか。

太田 ここでは、フランスのIAIが提案した橋梁用のIFC規格である「IFCブリッジ」をレビューアーとしてチェックする作業を行っています。

来年度からは、シールドトンネルをテーマに活動する予定です。シールドトンネルを構成するセグメントはもちろん、シールドマシンのカッターフェースとか本体とかもモデル化しようという計画です。

土木分科会の座長を務めているのは、室蘭工業大学建設システム工学科の矢吹信喜先生で、バーチャルリアリティやICタグの研究をしている方です。矢吹先生 は財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)のプロジェクトにも参加していますので、CALS/ECの動向も踏まえながら分科会活動を引っぱっていっています。

―――将来的に、建築と土木のIFCが統合される可能性はありますか。

太田 ビルと道路は、非常に近い位置関係ありますし、これらを同時に表現し、設計や施工を行うことも多いですから、別々だと不便ですよね。将来的には、建築も設備も土木も、統合して扱えるIFCの規格が整備されるべきだと思います。

また、現在ノルウェーを中心にIFCとGISを融合させようというプロジェクトが進行していて、国際的にもIFCが使える範囲を広げようという動きが活発になっています。

(イエイリ建設ITラボ 第3回掲載)